稲荷山誠造 明日は晴れか(本のサナギ賞受賞作)
著者:香住泰
作品紹介・あらすじ
第一回 本のサナギ賞 優秀賞作品。
大阪の金貸しのじいさん、稲荷山誠造(イナリヤマ セイゾウ)のもとに、結婚を反対したことをきっかけに音信不通となっていた一人娘、桃代(モモヨ)の息子-すなわち孫の翔(ショウ)が突然あらわれる。
翔によると母が失踪したらしい。金の亡者でパワフルで物怖じしない70歳の誠造じいさんと引っ込み思案で大食漢な19歳の翔。
政治家やヤクザ、自衛隊まで動かし、神出鬼没の名探偵館林の協力のもと、居なくなった桃代を探す旅が始まる。果たして桃代を無事見つけ出すことはできるのだろうか!?
感想・レビュー
誠造の窮地にも動じない抜群の行動力には、読んでいてすがすがしささえ感じる。
どんな絶体絶命の状況でもあきらめない。こんな老人ができるのだから、自分も頑張れるのではという勇気がもらえた。
また孫の翔は、誠造じいさんとの交流を通して、次第に心を開いていき、成長していく姿がなんとも頼もしく、楽しく読み進んでしまう。
祖父と孫の友情ともいえるつながりを描いた、痛快なミステリーだ。
著者プロフィール
香住 泰(かすみ たい)
1951年 京都府生まれ。推理作家。
1997年 第19回小説推理新人賞受賞
2001年 大阪ミレニアムミステリー賞受賞
2014年 本のサナギ賞優秀賞受賞
他の作品
「錯覚都市」(双葉社)
「牙のある鳩のごとく」(ハルキノベルズ)
「とんでもない旅」(柏艪舎)
「幸せジャンクション」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など
※wikipediaより引用
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